仕事60「ぽんぽこたぬき工場」編

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■ 60以上の仕事を経験した僕。

すごいでしょ?!

・・・と、自慢しても、単なる腰の落ち着かないヤツ・・・で終るのが世間。

でも、いいのだ!

きっと、何かの役に立っているのだから。

きっと、これから何かの役に立つのだから。

なにより、人生充実してる。

これだけ、腰が落ち着かなかったら、これはもはや長所。

環境適応力が優れているという事ではないか!?

・・・と、勝手に想っている今日この頃。

僕の経験した仕事を感想を含めて1つずつご紹介。

仕事内容と感想を綴るだけの大して面白くない記事ですので、お暇な時にどうぞ。

■ 大学卒業までに経験した仕事 (17/24)

ぽんぽこたぬき工場

ぽんぽこ和菓子工場?

「ぽんぽこたぬきのおまんじゅう」ってご存知ですか?

ここの会社は、ロバ製菓といいます。

ちなみに、このCMご存知ですか?

「わぁー、懐かしい!」とか、「ひよこに似たやつね~。」と、聞こえてきそうです。

ここでお仕事をさせてもらいました。

ここの工場は、笹塚にありました。

当時、開業して間もない「都営新宿線」に乗って行き、夜19:00 ~ 朝7:00まで働い

ていました。途中、食事休憩が2回、休憩が1回かなぁ・・・

実動9時間30分くらいだったと思います。

白い割烹着、変な網のついた帽子、白の長靴の出で立ち。

この格好で、かしわ餅、桜もちの製造をしていました。

おはぎやきなこ餅の製造、バームクーヘンの箱詰めも1度お手伝いしました。

季節ごとに作るものが違います。

春先には、桜もち。 秋口には、かしわ餅。 おはぎ、きなこ餅は不定期でした。

バームクーヘンは、出荷が間に合わず、一瞬、手伝だっただけです。

この時は、お土産に、缶入りのバームクーヘンをもらって帰りました。

バームクーヘン、うまかったなぁ。

肝心の、”ぽんぽこたぬきのおまんじゅう”には、携われませんでした。

さて、今回のお仕事のメンツですが・・・

これも、交通量調査やゼリー工場でおなじみの大学の友達と一緒に働きました。

内容的には、ゼリー工場同様、単調な作業です。

しかーし、ここが違う! なんと、食べ放題。叱られません・・・・

でも、口が動くだけで、手を休めると叱られます。

口に、どんどん、かしわ餅を詰め込んでも、手が動いていれば大丈夫。

基本、桜もちの場合も同じです。

機械から、どんどん餅が生まれてはベルトコンベアに落っこちて流れてきます。

そのベルトコンベアを向かい合わせに5人、5人の10人が並びます。

餅を取っては包み、取っては包み・・・

ベルトコンベアの先頭にいる人間が手を抜くと、とたんに後ろの人たちが大変に

なります。

主任 「はーーーい、今日は8,000個です!がんばってまいりましょう!」

ここから、一日がスタートします。

具体的には、流れてくる餅を葉っぱで包みます。かしわ餅の季節は、柏の葉っぱ。

桜もちの季節は、桜の葉っぱです。

柏の葉っぱも桜の葉っぱも、束になって水に浸けてあります。

柏の葉っぱは、50枚くらいが束になっていて紐でくくられています。

それを紐解き、手元に葉っぱを積んでおきます。

かしわ餅がベルトコンベアに乗って流れてきたら、葉っぱの”ヘタ”が付いている部

分を手前にして、左手に葉っぱを乗せておきます。

右手でおもちをつかんだら、左手の葉っぱの上に置きます。

そのとき、葉っぱの”ヘタ”の部分・・・葉っぱの半分から下の部分におもちを乗せ

ます。

すかさず、右手で葉っぱの上部を折りたたみ、おもちを葉っぱで”くるみ”ます。

これで、1つのかしわ餅が完成です!

おもちをつかんで包むまで、だいたい、1秒!です。

左手の上で完成した”かしわ餅”をトレイに置きます。

トータル2秒くらいのペースで、ハイサッ! エイヤサッ! クルン、パッ♪

というリズムで、どんどん包んでいきます。

途中、 ハイサッ! エイヤサッ! クルン、パ!

ン、ガッ、ンンッ! ゲホッ モグモグ!

なんていう音もあちこちから聞こえます。 だって、おもち食べ放題ですから。

主任 「はーい、おもちを食べても良いけれど、

たくさん食べると、その分、帰りが遅くなりますからね~」

この主任、「はーい♪」

・・・が口癖のようで、よく、みんなでマネをしていました。

しゃがれた声の、ちょっとからかいやすい主任でしたが、大学生の僕たちに、大変

よくしてくださいました。

今、このロバ製菓がないのが残念です。

そうやって、葉っぱが無くなると取ってきては、自分の脇にセットして、次から次に

流れてくる”おもち”を柏の葉っぱに、包む、包む・・・・。

あの当時、”僕たち”が包んだ、「かしわ餅」や「桜もち」を食べてくれた人がいると

思うだけで、ちょっと嬉しくなりました!

街で見かけるかしわ餅を見ては、よく確かめもせず

「これ、オレ、巻いたやつだぜ!」 なんて言って、面白がっていました。

とにかく、学生時代は腹が減る!

ながれてくる餅を次から次へと口に放り込み、手だけは休めないで包む包む!

それでも、先頭の人間が餅を食べてばかりいて、手を動かさないと、後ろの人にしわ

寄せがくる。後ろの人が対応しきれなくなると、機械を止めるしかない。

そうなると、主任からお小言をいただきます。

(ここの機械はゼリー工場とは違って、本当に小さな機械でした。)

しょっちゅう機械を止めては、口の中の餅を消化して~を繰り返していました。

最終日近くになると、餅を食うスピードも格段に上がってきました!!

一気に2個食いなんてあたりまえ。しかし、手は休めない。プロ!まさに、プロ根性!

最後は、みんなで機械を片づけ、清掃しておしまい。

桜もちの場合も基本は同じ。ただ、桜の葉っぱは、葉を1枚ずつにするのが大変でした。

本当に、はがしにくい!

束からきれいに1枚をはがすのに、慣れないころは、何枚も無駄にしてしまいました。

また、桜もちは、かしわ餅ほど滑らかな表面ではない。

だから、飲み込みにくい!

かしわ餅を食べるより時間がかかってしまいます。

さて、深夜ぶっ通しのこの仕事。工場につくと、いきなり晩飯が出ます。

そして、深夜2:00ころにガッツリお昼。

そして、5:00くらいに休憩があって、あとひと踏ん張りして終了です。

ここのお弁当・・・良かったですよ~。2食もついて、休憩あり!

そして、食堂&休憩室にはテーブルのインベーダーゲームもあったんです。

食後や休憩時は、かならずインベーダーゲーム!

僕らの時代でも、すでにインベーダーゲームは懐かしい!というジャンルでしたが

それが、テーブルでできるとは!? ・・・感激でした。

けれど、お金は入れません。 テニスのガットを駆使して、クレジットをアップ!

楽しかったー。

こういうテクニックは、だいたい学生時代にマスターしているものです。

結局、季節ごとに何度もお世話になったこの仕事の期間中、一度もお金を使わずに

遊びました。主任も知っていたようですが、黙認でした。

そして、ここでは、マジックの楽しさを目の当たりにしました。

主任と仲の良い社員の方が、ある時、突然、僕たちの前でマジックをしてくれました。

本当に感動しました。

この時代(年齢)あたりから、マジックグッズなるものに興味を持ち始めました。
本当に過酷で楽しい深夜のお仕事。

残念ながら、ロバ製菓は無くなってしまいました。

インターネットで調べてみると、当時の部長さんが流れをくんでいるとか・・・

ぽんぽこおやじ」という名前です。

どうなんだろ? 味、似ているのかな?

ぽんぽこ(ロバ製菓)は、お菓子だけではなく、僕たちにとって、良き青春時代の思い

出を作ってくれました。

・・・オノマトペ。