私を見てごらんなさい(笑)ほら、逃げていいんだよ。

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私の「逃げ」人生

世の中には、とてもまじめな人がいます。「生真面目」という方が良いかもしれません。
そういう人は、自分に厳しくしているつもりはないのかもしれません。
でも、知らず知らず自分を追い込んでいるかもしれません。

逃げても良いといわれても、どれくらいのレベルのことをいっているのかわからないのではないでしょうか?ここでいう「逃げ」とは、根性とか精神力というものの正反対に近いところに位置します。

どんなに責任があっても、どんなに絆があっても、出来ないものはできない。
無理するのではなく、「やーめた」と逃げてしまうことをすすめています。

私の「逃げ」のレベルが、あなたが置かれた環境のどれくらいのレベルに相当するかは分かりませんが、私が逃げてきた代表的なエピソードをご紹介します。

これを読んで、「あー、そんなんでいいんだ」と肩にしょい込んだものが少しでも軽くなれば幸いです。

父親の最後の願いを叶えない

私の父は、私が14歳の時に他界しました。
何度か危篤状態に陥り、その都度、病院に駆け付けた思い出が強烈に残っています。
授業中の教室に呼びに来られた時は、恥ずかしいやら平静を取り繕うとする気持ちやら、複雑な気持ちと一緒に病院に駆け付けました。

そんな父の最後が近いと知っていた母親は、子供たちを一人ずつ呼び、父と二人だけにする時間を作りました。

父が私に託した思いは、一家の大黒柱としてしっかりすること。
もう一つは、野球で甲子園に行くこと。でした。

一家の大黒柱は、今でも守れていません。
野球で甲子園に行けという願いも、高校進学と同時にバスケ部に入部するということで、約束を守っていません。野球部に入れば、坊主にしなくてはいけないということが大きな理由でバスケ部に入りました。
いとも簡単に2つの約束を破っています。

この世に未練を残す父親に安心してもらうためだったとしても、出来ない約束はするんじゃなかったと反省しています。どんなに重い空気が流れようと、野球をやるかわからないことは正直に伝えた方が良かったのかもしれません。

大黒柱についても、分かったとうなずくのではなく、頑張るよ!でよかったのかもしれません。

相手を気遣うあまりに相手の喜びそうなことを言ったために、ずいぶんと長い間苦しみました。否定的な返事はしないまでも、だからといって自分にうそをついてまで相手を喜ばす返事をしなくてもいいと思います。

父親の最後の頼みに対しても逃げた私…。
こんなにすごい「逃げ」に比べたら、もっともっと逃げていいことはたくさんあると思いませんか?

部員の期待に応えない

父親の頼み事から逃げて高校ではバスケット部に入部しました。

2年生の6月ころになると、3年生は現役から退き、2年生が主役となります。
私は、バスケット部の部長に選ばれ、部をまとめていく立場となりました。

途中からチームを優勝に導いてきた実績のある体躯の教師がバスケット部の顧問となりました。練習は厳しく、毎日のようにビンタや蹴り、ホイッスルの紐でムチ打たれたり、竹刀を分解した竹で叩かれていました。

練習内容よりは、体罰に耐えきれなくなり、私はバスケット部を辞めました。
父の最後の頼み事から逃げて入部したバスケット部… 部長であったにもかかわらず辞めたのです。

部員やそのほかの始動の先生から引き止められましたが、私は逃げました。
このことも挫折感として心に残りました。

50代になるまで、この挫折感を引きずっていました。

”逃げてもいいんだ” ということをもっと早く私のこころが理解をしていたなら、こんなにもトラウマとなることはなかったと思います。

部長自ら部員を残し退部するという私の逃げっぷり…いかがでしょうか?
この逃げっぷりに少しでもあなたの心が軽くなってくれたら嬉しいです。

友達との約束を守らない

社会人になるとお酒を飲む機会が増えます。
大学の友達と久しぶりに会ってみると、成功している人も何人かいます。

大抵、成功している人からは奢られる場合がほとんどです。
その度に、今度会う時は、私が奢る!と、未来の成功と奢られた引け目を「約束」という言葉にして別れたものでした。

そんな約束、守ったことありません。
その後、何年かして同じ人から飲みに誘われても行きません。
まだ成功していないという情けなさとあっても約束を果たせないという気持ちから…
あんな約束、飲みの席のことだ!と自分に言い聞かせ、そのうち、飲みにも誘われなくなりました。

もっとラフに会話も切り返せれば、こんなふうに悩まず、とりあえず会って飲んで、まだ成功してないんだよ~なんていって、割り勘にすればよいのだけれど… 出来ない性格です。

だったら、そんな約束しなければいいのに。
後悔しても時すでに遅し。

他人から見れば、そうやって逃げ続けている私です。

母親の期待に応えない

母子家庭で育った私は、本来なら実家に戻って就職して母親を助けながら生活するというのが長男の責任です。父にも、病床から母の手助けをして一家の大黒柱になるようにと最後の頼まれごとをしています。

ところが、一浪して入学した大学を卒業しても実家に帰らず、就職もこちらで決めてしまいました。教員になるという夢も叶えず、目隠しの指差しで就職雑誌から就職先を決めてしまうという暴挙から始まり、今に至っています。

母親を安心させるどころか、ふらふらとあっちの会社、こっちの会社と浮き草のように生活している私を、母親はいつも心配しています。私は、親不孝ですね。

両親の頼み事や期待から、ずっと逃げ続けています。

逃げたってダメ人間にはならない

こんな私に比べたら、皆さんはとてもしっかり現状を受け止めて生活をしているのではないでしょうか? 生真面目なあなたは、頑張りすぎてはいないでしょうか?

どうぞ、私のような人間とあなたを比較してください。

『この人に比べたら、私の方がマシ!』と思ってください。

逃げてもいいんです。

大事なことから逃げてきた私でも、生きがいが見つけられましたし、楽しく生きています。
好きなことだけをして生きています。

どうぞ、自分を追い詰めないでくださいね。