日本からゴミを持っていき、巻いているのではなく、現地でゴミを調達して「サハラ砂漠」
に撒いているそうですが、どうしてゴミを撒くことで「砂漠が緑化」するのでしょうか。
ゴミを撒くと砂漠が緑化するまでの流れ
乾季に草や木の生えていない荒廃した土地にゴミをまく
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ゴミを5~10㎝ほどの厚さにならす
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雨季(6月~10月)に雨が降る
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ゴミによって地中にシロアリの餌となる有機物が増える
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シロアリが飛来して地中に巣(コロニー)を作る
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シロアリが地中に無数のトンネルを作ってくれる
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地中のコロニーのトンネルに雨水が浸透して土地の保水力が高まる
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草木が芽吹き、保水力のある地面のおかげで枯れることなく成長できる
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生えてきた草木の管理をする
なるほど!面白い事を考えるなぁ・・・と感心しました。
でも、素朴な疑問が。
ゴミに含まれるプラスチックやビニールって大丈夫なの?
実は、ビニールやプラスティックを砂漠の表面を覆うように設置することによって雨などの
水分の蒸発を防ぐ役割を持たせることができます。水分が土の中に保たれるので、地面が固
くなることを防いでいます。
サンドウィッチを冷蔵庫に入れる時、乾燥して固くならないようににラップをするのと同じ
ですね。
とはいえ、強風が吹くとビニールは軽いので飛んでしまいますので、風に吹き飛ばされるの
を防ぐために、ゴミを馴らしながらゴミと砂によってビニールが飛ばないようにしているそ
うです。
ごみの中には有害物質もあるはずだけど・・・
工場からのゴミだと有害物質の心配もあるのですが、住人達の日常生活によるゴミなので重
金属などの有害物質の心配はないそうです。
大山修一
サハラ砂漠の「緑化」を実践しているのは、京都大学アフリカ地域研究資料センターの大山
修一准教授という方です。ニジェールという国は紛争地帯とも無関係ではなく、安心して暮
らせる地域ではありません。
また、ゴミを撒く土地の確保にあたっては環境省からの反対にあったり、農耕民と牧畜民と
の争いごとがあったりと、一筋縄ではいかないそうです。
そんな中、信念をもって、現地の人々と協力しあいながら、荒廃地の緑化をすすめている日
本人の彼にほこりを感じます。