どこを向いて仕事をしているのか?
約2年前、似たような記事を書いていますが、今回はもっと具体的な例をあげたいと思います。実際に起こった問題です。あなたの上司はどこを向いて仕事をしていますか?
お客様からの1本の電話
あるお客様から電話がかかってきました。
「9/30までと書いてあるけれど自粛期間中の場合は10/31まで有効とあるある割引券は、まだ使えるでしょうか?」
上司への相談と上司の回答
私は、折り返すことを約束して一旦電話を切りました。
上司に相談すると、社内のマニュアルを出してきて確認をしました。
マニュアルには”全国に自粛宣言が出されている場合、10/31まで有効とする”と書いてありました。
そこで、今回のお客様には割引をしないということでした。
ここまでは、全く問題のない流れですし、私もそれをお客様に伝えようと思いました。
割引券の文言訂正は必要か?
問題が起こったのはここからです。
割引券には”全国に自粛宣言が出されている場合”とは書かれておらず”自粛期間中の場合”と書かれているので、それは訂正した方が良いと、私が伝えたときです。
つまり、全国の自粛宣言はどうであれ、お客様自身は自粛して外出を控えていたので”自粛期間中”として解釈できるということを指摘しました。
お客様の口実としては、強引な解釈ではありますが…そう解釈できないわけでもありません。
しかし、上司は、即答…
『私は、大丈夫!そんなふうには思わない!』
と、少し怒った口調で言いました。
上司の頭の中には、ちゃんと書いてあるんだから割引する必要はないし、こんなふうに電話をしてくるお客様は、少し変わっている人とでも言いたげでした。
実をいうと、私だってそう考えないわけでもありませんでした。
けれども、割引をするかしないかを論点として割引券の文言訂正を伝えたのではありません。
実際、こうして電話が掛かってくる事実がある以上、そこは訂正しなければいけないということを伝えたのです。
私は、目先の割引金額そのものを会社の損得基準として考える上司に落胆しながらも、急に頭にきて、少々声を荒げて言いました。
『実際、こうして問い合わせがある!なのに、訂正をしないのですか?』
つまり、上司が誤解しようがしまいが関係なく、実際、そうしたお客様がいらっしゃるということは、割引券の文言訂正が必要なのです。
仮に、そのお客様が特殊な考えをお持ちの方でも…
そうした付け入るスキを与える文言は良くないのです。会社の人間はマニュアルを見ているので、割引券の内容は解釈出来ますが、お客様には、しっかり伝えないといけないのです。
誰が読んでも解釈は1つしかできない文言を記載しなければいけないのです。
やさしく、ゆっくり上司に伝えることで、ようやく理解ができたようです。
どこを向いて仕事をしているのか?と落胆をさせる上司
しかし、さらに落胆したのは、一通り私の意見を聞いてから、私に言った言葉です。
『いいんじゃない。それなら割引券を企画している部署に提案すれば。』
結局、この上司は会社の損得を目の前の金額でしか見ていません。
重要な問題が隠れている
今回の一件は、とても重大な問題なのです。
割引券の文言訂正を行わなければ、同じような問い合わせがたくさん来るともわかりません。
たくさんの問い合わせがあったとき、多くの人が対応することになります。
ホームページにお詫びを記載することにもなるかもしれません。
そのなった時、対応した社員の時給を合算すると、今回の割引云々の金額ではなくなってしまうのです。
そういう所が見えていないから”訂正するなら担当部署へ言いなさい。”という言葉しか出てこないのです。
会社の上長クラスの人であれば、会社のことをこういうレベルで考えていなければならないはずです。そして、本来であれば、開口一番『割引券を見直しましょう!』と言わなければいけないのです。そういう視点を持っていなければいけないのです。
まとめ
普段から、お客様目線で仕事をしていれば、お客様が誤解した時の気持ちを理解できるはずです。そして、出来るなら1円でも安く買いたいと思う気持ちも大切にできるはずなのです。
そういう気持ちを理解していれば、お客様の割引券の誤読も理解できるはずです。
お客様が誤読をする気持ちを理解できていれば、割引券の文言は、最初からそんなふうにはならないのですが、今回のような問題が起こった場合でも、お客様の気持ちを理解していれば、責任は会社にもあるので、すぐに訂正しようという行動が伴うはずです。
つまり、最初からお客様の気持ちなどは理解していないということなのです。
それを反省しなければいけません。
今後も商売を続けていくのであれば、割引券一枚にも誠意を持った対応をするべきなのです。そして、今後、誤読をされるお客様をゼロにする割引券を作ることが一番なのです。
そういうことをわかっていない上司は、会社のためならず。
いち早く、会社を去ってもらう。無駄な給料の支払いを止めなければいけません。
どこを向いて仕事をしているのか? 常に意識をしたいところです。