優しく言われているうちに直す
これは、コロナ禍の飛行機の中でのお話です。
私は3列席に座っていました。
前の席には、1歳に満たないお子様を連れたご家族が座っていました。
ご夫婦の間にお父様のお母様らしき方(おばあさん)がお子様を抱いていました。
お子様を抱くおばあさんは、マスクをしていません。
両隣ですが… お母様はマスク着用、お父様はマスクは顎にかけたままです。
飛沫を扇風機で拡散
機内が少し暑くなると、子供は不快に感じるのかグズッてきました。
お父様は、パンフレットで子供に向けて扇ぎます。
おばあさんは、小型扇風機を取り出しスイッチを入れ子供に風を送り始めました。
お父様のマスクは、顎にかけられたまま。
おばあさんは、マスクをしていません。
子供をあやすのですから、当然、「よし、よし。」などと言葉を発しながらあやします。
言葉とともに吐き出される飛沫は、仰いだり、扇風機の風と共に後方の私の席に流れてきます。
キャビンアテンダントの気の利いた対応
その状況を見て、私たちや周りの人たちの態度に気が付いたキャビンアテンダントが、ナイスな対応をします。
「お子様、大変ですね。機嫌悪くなっちゃったかな?よしよし・・。」
といった具合です。そして、最後には
「マスクだけは着用していただけますようお願いします。」
と的確にお願いしてくれました。
注意を聞かない
キャビンアテンダントの注意に対して、おばあさんとお父様はうなずくだけです。
マスクはしません。お母様も、身内に対して注意はしません。
何度かキャビンアテンドがやってきては、このやり取りを続けます。
ようやく、おばあさんは、マスクをバッグから取り出し着用しましたが、お父様は、相変わらずマスクを顎にかけたままです。
結局、そのまま、2時間半… 目的地に着いてしまいました。
飛行機が着陸するころ、子供の前掛けらしきものが私の足元に落ちていました。
内心、見なかったことにをしようと思いました。
なぜなら、このご家族に不快さを感じていましたから。。。。
けれども、そんなことをする自分自身が嫌だと思ったので、それを拾い、おばあさんに渡しました。そうすることで、あなた方の周りにはたくさん人が乗っていることを理解させることができると思ったからです。
けれど、キャビンアテンダントの直接的な優しい注意を聞かない人に、そうしたことを理解できるわけがありません。結局、飛行機を降りてもずっとそのままでした。
不快な思い出が残る旅行にならないことを祈るばかり
私は、少し不安になりました。
このご家族は、どうやら帰省ではなく、これから観光旅行を楽しむようでした。
もちろん、テンションは上がっているはずです。
家族で楽しい思い出をたくさん作ろうと旅行に来たわけです。。。きっと。
一歩街に出れば、優しい人ばかりではありません。
お父様のマスクの状態を見て、いきなり怒り出し、注意をする人がいるかもしれません。
家族で楽しく過ごしているのに、観光地や通りすがりにそんなふうに頭ごなしに注意されたらどうでしょう?一気に気分が冷め、楽しいはずの旅行が台無しになるかもしれません。
優しく注意されているうちに直しておけば、そんな風にならずに済むというのに。。。
この親にこの子供
機内には同じくらいのお子様があと2人ほど搭乗していました。
これがまた面白いのですが、その2人は一切ぐずりませんでした。
親が自分勝手だと子供も自分勝手になるのかもしれません。
少し気分が悪いからとぐずってみたりするのは、人に注意されても我関せずと勝手にふるまう親の態度が子供にもうつってしまうようです。
こういう人たちは、いよいよ誰かが強く注意しないと気がつきません。
それでいて、そんな風に注意をされると「あんな言い方をしなくてもいいのに!」と逆切れをするタイプです。
もう少し、相手の立場というものを理解しようとする気持ちがあれば、些細なことでも、それが自分に向けられた注意だと気が付くはずです。
自分勝手な行動を注意され、その注意に腹を立てるという人は、家でじっとしていてほしいと思います。社会は、そういう気配りのできる人のフォールドです。それができて初めて、お互いが旅行を楽しめるのです。