生活と仕事とお金とお客様の気持ち
仕事をしていてお客様の気持ちに寄り添うことはとても重要です。
けれども、それを気にするあまり、結果的にお客様を満足させていないということはありませんか?
例えばクリエイターの場合
あるクリエイターが創る作品は、予約でいっぱい。
完成すれば一作品30万円で取引され、月に2つ作品が完成するというペースで市場に供給されているとします。
そのクリエイターは、稼いだお金であちこちと旅行に行っていて、その様子はSNSなどで写真付きで報告されています。
お客様の気持ちを大切に?
そんなクリエイターの作品とSNSを閲覧しているお客様の中には、こういう気持ちのお客様がいると思います。
『いいよね~、ちょこっと作品作るだけで高い金額で売れて!
稼いだお金で遊んで、セレブは良いよね~』
多くのクリエイターは、そういう声を聴きたくないはずです。
こういう些細な書き込みなどで、客離れが起きるとも限りません。
だから、お金を多く稼ぐ層の中には、世間で言われる遊びごとにお金を使うことに嫌悪感を抱く人がいます。
また、SNSなどでそういう遊びごとを公開することを躊躇します。
作品と稼いだお金の使い方
先ほどのように、自分を支持してくれるお客様の気持ちを考えるあまり、遊びごとを控えなければいけないと考えるようになることは、間違っています。
私は、ハッキリとそう思います。
そういう私には、そんな遊びごとをするお金は無いのですが、お金を稼ぐようになってもこのことを忘れないでいようと思います。
自分をセレブ呼ばわりするお客様がいたって、聞き流せばいい。
自分から離れていくなら、それは仕方がない。
旅行や嗜好品の購入は、心の充電であったり、リフレッシュであったり、何かのインスピレーションを得たり、材料を仕入れるヒントであったりと…
作品に影響を与えることが多いものです。
そういうことにお金を使うことで、作品がより緻密で感動を呼べるものとなるのであれば、それは単なる”遊び”ではないのです。
本人は「息抜き」と「遊び」に重きを置いているつもりでも、作品のグレードアップにつながっているものなのです。
作品がグレードアップすれば、お客様は、いつにも増して感動してくれるはずです。
どうして、次から次へと緻密で繊細な作品が生まれるのだろうとお客様が考えるとき、はじめてお客様も気づくのです… こういう作品を作るには、旅行や嗜好品の購入が必要だということを。
そうやって出来上がったすごい作品は高く売れます。
すごい作品にはファンがたくさん増えます。
”贅沢しているところをSNSで見せて客離れを起こしたくない”と考えるよりも、自分の作品をグレードアップすることを考える!
グレードアップに必要なものが、旅行であったり、嗜好品の購入であるのであれば、そこに嫌悪感を抱く必要はありません。
どんどん旅行に行き、嗜好品を買い、それをSNSで公開する。(無理に公開しなくても良いが、嫌悪感を抱く必要はない)
そして、ものすごい作品を作ってお客様を感動させる!
そうなれば、客離れどころか、どんどんファンは増えていくはずです!
そのころには、お客様の誤解も解けていると思います。
作品作りには、遊びが必要であり、遊びも作品の一部なのだとお客様も理解します。
遊びも含め、お金と時間をかけ、じっくりと作品を仕上げる。
それゆえ、すごい作品が完成する。
そういう作品だから高く売れる。
そういう作品だからお客様は離れていかない。
このスパイラルを忘れてはいけません。
工場制手工業のように、早く、安くをモットーに作品を量産していたら、いつまでたっても心にゆとりのある作品作りと生活は手に入らないことを理解しましょう。
セレブだの贅沢だの言うお客様は、単にひがんでいるだけです。
クリエイターはお客様の感動のために多くの知恵と経験を作品に詰め込みます。
経験が作品に反映されます。
その経験は、もちろん自腹で経験してきたことです。
それを理解したお客様は、作品の素晴らしさは経験からくるものと理解して、作者の経験も一緒に購入するのです。つまり、作者が経験のために支払ったお金も作品に反映されているということです。
それだからこそ、お客様は、作品に感動し、癒されるのです。
これが本当のクリエイターとお客様の関係です。