【センドク】読書ノート 835冊目|修養 自分を磨く小さな習慣

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読んだ本の感想などを書いています。
結構、好き勝手なことを書いています。
ネタバレもあります。読書ノートとして残しておこうと思います。
40代後半まで読書嫌い。
急に(2018年9月)読書を始めました。⇒ きっかけはこちらです。

読書ノート

タイトル名:修養 自分を磨く小さな習慣

著者:新渡戸稲造(著)

読了日:2025年8月24日

この本を購入した理由

昔購入したままになっていました。
精神を鍛えるにはどうすればよいかと疑問を持ち購入した記憶があります。

この本のどんな内容を忘れたくないか?

  • 逆境に陥ったときは、冷静に分析。これはどんな逆境なのか、どれほど遠いものか、何年続くかを考えると良い。それだけで、逆境の半分以上を削ることができる。狭く短い逆境の中にはまって狼狽すると、みずから進んで黒雲に入る、すなわちこのんでぎゃ逆境に入ることになる。
  • 経験のある人の話を聞くと、身は逆境を脱し得なくても思想を自由自在に飛行させ、超絶の域に達し得ることは確かにできると思う。
  • 忙しい、忙しいというが、外部が忙しいために精神までも忙しくする必要もなければ、また忙しくしないこともできる。
  • 沈黙をすると、最初はかえって邪念が起こりやすい。平生の忙しさに紛れていたことが、静かに沈黙するために新たに現れてくる。欲も出てくる。人に対するうらみや妬みも起こるであろう。ほとんど忘れた他人の言葉を思い起こして、不快を感じることもある。いままでは多忙に紛れて潜んでいたものが、暇に乗じて現われ、百鬼が入り込んでくる。これはわれわれ凡夫のつねに経験するところである。しかし、いかに邪念が起こっても、それに構わず、黙思を継続すべきである。そして、起こった邪念に対しては、いまは邪念を起こすときではないと、それを振り払う。百鬼が幾度来訪しても、玄関払いをくらわせる。彼らが何遍来襲しても、来るごとにこれを撃退すれば、ついには来なくなる。そのあいだには習性となり、ついには、平生は邪念が起こっても、黙思のときだけは邪念が消えてしまうようになる。
  • 黙思をすると雑多な考えが頭に浮かんでくる。むしろ、忙しい仕事をして紛らわすほうがよいと思うことがある。それは煩悩を引き起こすからである。しかしこれは心がけ一つで、鍛錬さえすれば直せる。黙思は意志の鍛錬である。いかなることも、少し深く考えると、みな不憫の気が起こるものである。この念を避けるのはかえってよくはない。しかしそのために失望や落胆してしまうのは、もちろん望ましくない。とはいえ、黙思の際にこのような観念が起こるのは当たり前のことで、黙思の一つの目的としても良い。そこから、どのように考えるのかが「意志の働き」である。ゆえに黙思は「意志の鍛錬」となる。意志の方向を定めることはすなわち動機を正すことである。
  • 集中していると、それ以外のことがフワフワと浮いてくる。そうしたときは「またきたな」とこれを除くことに努める。そうして集中していること以外の念を駆除することに努めるときは、自然に集中力が伸びる。
  • 終日終夜ひたすら勉強し、栄養や休養を取らぬ者がある。その精神はまことに見上げたものだが、勉強を乱用した害は恐ろしい。これは「自然」から借金するのと同じである。「自然」への借金は早晩必ず払わねばならない。しかも高利で金を借りたように、安くはない利子をも合せて払わねばならない。「自然」は冷酷である。
  • 健康の乱用を恐れて、集中力の養成を怠るのはよくない。脳髄は筋肉よりも使用に耐える、ということを、私は医者から聞いたことがある。
  • 眼前に十貫目の荷物があっても、自分は前に十二貫の荷物を負ったことがあると思えば、これを負うのに少しも苦を感じないだろう。一度の経験は自信を与える。また、たとえば眼前にニ十貫の重いものがあり、自分はいまだこれをになったことがないとしても、すでに一度十貫目のものをになったことがあるとすれば、これはその倍にすぎない、少し力を入れればになえるという勇気が加わってくる。
  • 一年中に会った恩人を回顧せよ。親切にしてくれた人、慰めてくれた人、教えてくれた人ということを追想して、その恩を胸裏に刻むように努める。人のオンに感謝し、また人に善を行うための修養は、この辺よりはじまる。
  • 将来への抱負は机上の差し支えないところに、貼っておく。行えていないことへの奮起する手段となる。

この本の感想

時代的なところもあり、どこか体育会系の精神論的な部分もある。
けれども、読めば一理あるものばかり。
また、著者の人間的に弱い部分も書いてあり、同じ人間であることに安心もする。
著者と共通の弱みだけに、そうした弱い部分をどのように修養していくかという内容は実践しやすく、親近感を感じる。

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