【センドク】読書ノート 672冊目|悪の読書術(講談社現代新書)

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読んだ本の感想などを書いています。
結構、好き勝手なことを書いています。
ネタバレもあります。読書ノートとして残しておこうと思います。
40代後半まで読書嫌い。
急に(2018年9月)読書を始めました。⇒ きっかけはこちらです。

読書ノート

タイトル名:悪の読書術

著者:福田和也 (著)

読了日:2024年2月15日

この本を購入した理由

どこかの本ですすめられていたので購入。

この本のどんな内容を忘れたくないか?

この本の感想

自己啓発本のようにストレートな言い回しの本ばかりを読んだせいか、この本は、文章が優しく感じられます。流れるようなリズムと思考描写の表現が心地よいです。ときに著者のいやらしい批評がニヤリとさせます。

ところが、それもつかの間。
やはり純文学と違うのは、表現が同じところをぐるぐると回っているだけの文章だということです。純文学は、歩みこそ遅いけれど、そこにはゆっくりと確実に変わる景色を想像できます。それら景色は常に変化して、読者の想像をさらに掻き立てます。

この本は、ただいたずらに自分の気持ちを行ったり来たりさせて、それを純文学のような言葉で表現しているだけです。

本を持ち歩くとき、本について話すとき、他人にどう見られるのかを気にするべきだとして、いろいろな本をすすめています。難しそうだけど読んでみたいと思う本も見つかりました。

しかし、途中で気がつきます。
『そんな本を読んでいると、きっとこんなふうに他人から思われてしまいますよ!』
と、著者は語りますが、それは著者自身の思い込みによるもの…ではないか、と。

アンケート集計やエビデンスデータがどこにも記載されていません。

そこに気がつくと、単に、著者の理想とする「像」を読者に押し付けているとしか思えなくなります。根拠もなく語られる純文学風の論調にくだらなさを感じ、一気に本を読み飛ばしました。

言葉や文章運びから、つい内容を信じてしまいそうになります。
けれども、この本は批評家が書いた想像の域を出ない空想本というべきものです。
たくさんの本が紹介されているので「レファ本」として活用はできます。

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