【センドク】読書ノート 471冊目|あやうく一生懸命生きるところだった

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参考になるかどうかはわかりませんが、読んだ本の感想などを書いています。
結構、好き勝手なことを書いています。ネタバレもあります。

40代後半まで読書嫌いできた私ですが、2018年9月に読書を始めました。
そんなきっかけはこちらです。
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2024年1月19日に、私の不注意からブログのデータを全部消す!?という失態を犯してしまい、なんとかデータの復旧はできたものの投稿日時がすべて”2024年1月19日”となってしまいました。
読了本だけでも読んだ順番ごとに並ばせたい!
…と、架空の投稿日時を登録しながら、記事の並べ替えを行いましたので、記事の投稿日と「読了日」が違うこともありますがご理解ください。
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せっかくの機会なので、過去の記事に対しての「てこ入れ」および「読書感想などの追記」を行っています。

読書ノート

タイトル名:あやうく一生懸命生きるところだった

著者:ハ・ワン (著), 岡崎 暢子 (翻訳)

読了日:2023年4月6日

この本を購入した目的

前から気になっていた本で、タイトルがいい!
誰しもが一生懸命生きていて、こんな風に弱音を吐くことは良しとされない傾向にある世の中です。そこに、このタイトル… 惹かれないわけがない!

私の目的について書かれている重要なページ要約と感想

P30 努力したって、必ず報われるわけではない。

P51 …お金が最高という物質万能主義の時代…。僕らは長い間、お金が目標の人生を生きてきた。「どう暮らしたいのか」「どんな仕事がしたいのか」といった大事なテーマを差し置いて、より多く稼げる道を追いかけて生きてきた。お金を稼ぎさえすれば、ほかの問題は自動的に解決するものだと信じていた。

P62 世の中にはたくさんの道が存在する。ひとつの道にこだわりすぎるのは、ほかの道をあきらめていることと同じだ。
⇒ 良いとか悪いとか、どちらかに判断を決めるということは、その物事を半分しか見ていないということ。不幸だと決めつければ、残りの半分の幸福を捨てることになる。生きる道も、こだわり過ぎず、俯瞰で見ないといけない。

P67 賢明なあきらめとは、極限まで耐えしのんで仕方なく受け入れるあきらめとも、つらくてさっさとあきらめる意志薄弱とも違う、まったくの別物だ。適切な時期に、まだもう少しムリできそうでも勇気をもってやめることだ。なぜかって? その選択こそ利益だから。 人生にも「ストップロス」が必要だ。タイミングを逃すと、少しの損失ですむものが大損害になる。我慢してやみくもに努力することだけが能力ではない。今、僕らに必要なのは、努力よりも勇気のようだ。それは、たとえ無謀でもチャレンジできる勇気、そして適切な時期にあきらめられる勇気のことだ。

P80 答えを探すことだけに集中し、問題を解く楽しさを忘れてはいないだろうか?なぞなぞは、必ずしも正解しなくていい。間違えても楽しいのだ。しかもこのなぞなぞ(自分の人生)には、どうせ正解なんてない。

P85 この年になって、人生が一つのジョークのようにも思えてきた「正解のないなぞなぞ」というジョークだ。ジョークを投げかけられたなら、ジョークで応酬したらいい。深刻になり過ぎる必要はない。毎度毎度、真摯に向き合わなくてもいい。答えを探す必要はもっとない。ジョークを受け入れられず深刻に答えるような、ダサい生き方はしたくない。…人生は「答え」じゃなくて「リアクション」が重要な試験なのだから。

P196 以前は、未来のために我慢してお金を稼いでいた。「お金を稼ぐ」イコール「我慢して耐える」だったが、今は、現在の自由と喜びを維持するためにお金を稼ぐ。我慢するのではなく、喜びを少し味わうための能動的な行動だ。今の生活が維持できるくらいに稼げればいいので、多くを稼ぐ必要はない。…お金をを稼ぐ行為そのものは同じだが、その行為に臨む心が変化したのだ。よくわからない未来のためじゃなく、現在の自由のために稼ぐ。(この今が自由という状況を持続させるために)

P202 「少し不器用な店主がひとりでやっています。料理が出るまで、お待たせすると思います。どうもごめんなさい。」
⇒ 相手に寛大に待ってもらうには、こういうところが必要。

P234 …自尊心レベルは「普通」だった。…博士が「キミ、めっちゃ普通だよ」と言ったところで、僕は「いいえ、もっと高いはずです」と信じてやまない人間だから、テストの結果など重要ではない。ちまり、このテストの点数を「高」まで引き上げようと思うのはおかしい。ふう、あやうく頑張るところだった。
⇒ つまり、自尊心とは自分が自分をどう思うかが重要であって、他人のテストで推し量られるものではないということだ。まして、高い点を獲ろうと努力することなど見当違いもいいところ。そうやって、知らず知らずのうちに人の基準をあてにして生きてしまうことに注意をしなくてはいけない。

P268 人生は「結果」だけでは評価できない。…「あの人はずいぶん稼いだから、成功した人生だ」「望み通りにいかなかったから、失敗した人生だ」… 物語を見ずに結果だけで人を評価するような習慣は、いつしかブーメランのように戻ってきて自分の人生を評価する。…誰にでも、目に見えるもの以上の多くの物語がある。…たくさんの物語を知ることは、より多くの理解を得ることにつながる。

P281 レザークラフト… 面倒な途中の過程も、集中して没頭できる貴重な時間であり、腹が立つほど時間がかかるのも、いつか必ず形になる喜びのためにある。これこそ真の娯楽なのだと。結果ではなく”過程そのもの”が目的…。振り返れば、いつも過程を楽しんでこなかった。何かに没頭するのは嫌いではないが、何かを作りだす過程より、その結果にしか興味がなかった。いかに早く、楽に、安く、望み通りの成果物を作りだすか、その経済的な観点のみを求めていたから、その途中経過を楽しもうなんて思いもしなかった。そして、いつでも他人の結果をうらやんできた。「こんなカッコいい絵を描くなんて」「どうしたらこんな完璧な小説が書けるんだろう?」「あいつの名声がうらやましい」 自分もああなりたい、あれくらいはできるはず…。そうやって、憧れの人たちの真似をしてあれこれ試してみたが、どれも長続きしなかった。当然だ。彼らが何年、何十年と努力してきた結果だけを見て、それをお手軽に手に入れようとしてきたのだから。心はいつも何かに急かされ、すぐさま結果が得られない場合は、「自分には才能ナシ」と簡単にあきらめてきた。もちろん、何かをするときに「結果」を期待しないことはありえない。でも僕は、あまりに結果を得ることだけを急ぎ、過程は「結果を得るために我慢する時間」くらいに考えていた。その過程だって十分に楽しめたはずなのに。それを忘れていたのだから、簡単に飽きてしまうのも当然だ。僕がうらやんできた人々は、過程そのものも楽しめる人たちだったのではないか? まったく同じことでも、人によっては楽しかったり、つらかったりする。それには好みや性格、技術の差もあるだろうが、何よりもそれに向き合う態度が重要なのかもしれない。
⇒ 辛い練習、作品制作過程の単調な作業…そうしたつまらない時間を我慢する。その先には、楽しいことが先に待っているから…と我慢している。そうではなく、そもそも我慢ではなく、そこを楽しむ、楽しい!と意識を改革しないといけない。実際、その試行錯誤、練習が、振り返れば楽しかったりするものだ。

P284 同じ人生なら「一生懸命」より「楽しく」。「一生懸命頑張ります」…この言葉には、嫌いなことを我慢してやり遂げるという意味が含まれている。つまり、楽しくないのだ。だから、一生懸命生きるのはつらい。それは我慢の人生だから。同じ人生、どうせなら”一生懸命”より”楽しく”のほうがいい。考え方を変えるだけで人生が変わるなんて言ったら、大げさかな?あまりにも平凡で、手垢が付きすぎて気に入らない言葉だが、結局これに尽きるだろう。「天才は努力する者に勝てず、努力する者は楽しむ者に勝てない」…しかし、一つだけ問題がある。それは、「必ずしも、人に勝とうとして楽しむのではない」ということだ。ただ、楽しくやりたいだけ。誰かに勝つことが目的になった瞬間、楽しめなくなると思うから。…結果のために耐えるだけの生き方じゃダメだ。過程そのものが楽しみなのだ。この先、こう考えることに決めた。ワープして飛び越えたくなるような苦しい時間ではなく、楽しい時間を過ごそうと。
⇒ 今をしっかりと楽しんで生きること。楽しむように考え方を変えること。そうしないと、一生懸命生きてしまうことになる。結果ばかり、その結果の評価ばかり…それだけをいかに早く、安く、高品質に達成することばかりに一生懸命で…生きていて楽しいのか?充実はする?充実というか、ヘトヘトになり、達成感は得られるが、その達成感は誰に還元されているのか?会社に還元してどうする?自分のために頑張るのはわかるけれど… その辺しっかり考えないと、誰のために生きている人生なのか分からなくなる。自分のために生きていないのに疲れる。疲れるのに自分が充実していない。ふとむなしくなるのは、人のために頑張りすぎているから。自分の人生を生きなければいけない。自分が満足して、楽しくて、充実するためには、自分がどうしたいのかを常に先に考えてから行動すること。人が持っているから、やっているから、行ったから…じゃあ、僕も!ではダメなんだ。自分がしたいことをする!

この本は、私の目的を達成させたのか

こんなにも自分の考えを分かりやすく代弁してくれた本はない!
そう思える本でした。
しっかり、自分という軸が大事だということが分かりました。

この本についての感想

とにかく、翻訳がうまいのだと思います。
いい具合に口語チックで、40代、50代の言葉になって浸透してきます。
著者の人生を応援しつつ、自分もこうなりたいと思える影響力のある本でした。

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