あの雑談から15年後に商品になる。どんな感覚が実現するアイデアなのかを体験した瞬間でした。(健忘録)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ふとCMがキッカケで思い出した懐かしい人

昔、Gaudimoda(ガウディモダ)という衣料品のブランドを立ち上げた時のこと。

生地屋の社長と伊勢丹のデザイナー、MEN’S BA-TSU(メンズバツ)のパターンナーと僕の

4人で企画しましたが、あえなく失敗。

そんな話は、別でするとして、この時に出会った方々の中で、とてもユニークで忘れられな

い人がいます。

キッカケのCM「ワンダ TEA COFFEE」

最近、コーヒーと煎茶のブレンドボトルが発売されましたが、これがキッカケで、その人を

思い出すことになりました。

その人は企業ロゴの第一人者

その人は、生地屋の社長と仲がよく、当時の清水建設の企業ロゴを考えた人です。

他にも、NTTダイナミックグループや日野自動車の企業ロゴも創られた企業ロゴの第一人者

です。飯守恪太郎という人をご存知でしょうか。

生地屋の社長に連れられ、原宿駅まで来ると、徒歩で3分ほどのマンションに入って行きま

した。

飯守恪太郎さんとの雑談

ここに来た目的は「Gaudimoda(ガウディモダ)」のロゴを考えて頂くことでした。

当時、何かの記念になると思い、飯守さんにとっては落書きかもしれない、FAX用紙の裏に

書いてくださった紙を持って帰ってきて保管していました。額の表面は黄色く変色してしま

っていて、時の長さを感じます。

15年以上ぶりに、額から取り出します。

当時の息遣いや楽しさ・・・いろいろ思い出されます。

清水建設のロゴのできるまでの話と一緒に書かれた「Gaudimoda(ガウディモダ)」を短

縮した「ガデモダ」の鉛筆書きがあります。

飯守さんは、

「人間は4文字以上を瞬時に理解はできない。

だから『清水建設』をロゴにする時、文字をつなげたりして工夫をした。

そして、あのロゴができた。」

・・・と、当時を懐かしむように振り返りながら、創作のコツや楽しさ、興味深い話をして

くださいました。

坂田晃一さん同様、極めた人の話は、大変面白いです。

本当の雑談に突入

・・・時間が経つにつれ、ロゴの話はどこへやら。

本当の雑談となりました。

その内容は、”コーヒーが好きか紅茶が好きか?”という話題になりました。

たわいもない話でしたが、そのうち、コーヒー好きでも紅茶好きでも飲める飲み物を考えた

という話になりました。

飯守さんは、「それは、コーティー(CoTea)というものです。」と、仰いました。

「少しずつ、自分で淹れて実験をしています。」とも言っていました。

僕は、実際に行動に移しているということにも驚きました。

CoTea(コーティー)とは?

「CoTea(コーティー)」の考え方はとてもユニークです。

そもそも「CoTea」は原宿などの店舗で販売することを想定していました。

ユニークなのは、コーヒーの量と紅茶の量を自分好みに注文することができるという点です。

「コーヒー 8:紅茶 2」という具合に、自分の好みに合わせて注文ができます。

「8:2」「6:4」「7:3」といった札を自販で購入して、カウンターに出し注文する。

そんな話になると僕を含めた3人の創造は止まりませんでした。

『おお!それなら、飲んでみたい!』

そんな風に、話が盛り上がったことを覚えています。

あれから時が流れて15年

そんなたわいもない話から15年ほどが経ちました。

このCMを見たとき、似たような考えの人がいるんだなと思いました。

そして、実際に発売された商品を手に取って目にすると、あのアイデアは少し早すぎたんだ

なぁと思いました。しかし、あの盛り上がった感覚と方向性は間違いではなかったという自

信にもなりました。だって、他の人が作ったモノとはいえ、商品化されたわけですから。

そもそもは、僕のアイデアではないけれど、現実化するアイデアの方向性は、ああいう感覚

が伴うものだということを学習できたのかもしれません。

逆に、ああいう感覚が伴うアイデアは、必ず現実化するということです。

その証明には15年もかかりましたが、僕はそれを実際にこうして体験しました。