苦しい時こそ「笑う」 祖母の性格
乳母車を押しながら、近所ならどこ絵でも外出する祖母は、車が頻繁に通る道でも全く臆することが無い。
『車の方からよけていくから大丈夫!』
終始そんな調子。
苦しい時こそ「笑う」 ポジティブ
右腕の骨折をさせられる(怒!)
そんな祖母も晩年は施設にお世話になりました。
実は、その施設で入浴の為に移動する担架(ストレッチ)に乗せる時、職員の不手際で、落とされてしまいました。
結果、利き腕である右手を骨折してしまいました。
僕は、腹の底から憤りました。
施設に様子を見に行くと、右手をギブスで固められ、首から包帯で右手を吊られています。
祖母も腹を立てていると思いきや
『痛くない?大丈夫』
と聴くと、
『ちょっと・・・な。』
と言いながら、丁度、食事をしているところだった。
利き手の右腕は使えないので、左手でスプーンを使って食べていたが、食べにくそうにしていた。
『・・・左手あるから大丈夫だよ!』
と、普通の日常会話をするように、サラッとこんな言葉が出てきた。
まぁ、そうなんだけど、どうしてそんなに明るく言えるのか?
職員を責めるようなそぶりはひとつもない。
苦しい時こそ「笑う」 祖母から学んだこと
今、与えられた環境でどうにかする・・・
ただそれだけなのだが、僕にはそんな気持ちの切り替えは出来ない。
仮に、左手で食事ができたとしても、左で食事をするという行為が、そういう体にした職員を思い出させることになり、怒りが噴出してしまうだろう。
そんな祖母を思い出すと、自分は未熟だなぁ・・・と思う。
気持ちの切り替えのコツ
たぶん、気持ちの切り替えにコツみたいなものはないんだと思う。
悔しいし、憤りを感じるのだけれど、腹を立てたり、恨んだりしても過去は変えられない。
祖母の場合も、祖母がどんなに腹を立てても、右手の骨折という事故が無かったことにはならない。
それよりも、左手で食べることがうまくなる方が「先」なんだと思う。
今できることに集中しているから、過去を一時忘れることができている。ただそれだけ。
それが、自然と気持ちの切り替えになっている。
もし、祖母は左手で食べることが上手だったら・・・どうだっただろう?
”左手で食べれるようになる”という、過去に憤りを感じたり、腹を立てたり、恨んだりするよりも「先」にしなければいけないことが無くなってしまうわけだから、きっと過去を変えられないとわかっていても憤りを感じる生活を送ったのだろうか?
たぶん、そうした憤りを感じなかっただろうと思う。
・・・・だって、左手が使えるから。
きっと、『まだ、左手があるよ。』というはずだ。
こんなことを思い出すと、自分にも笑顔が出てくる。
みなさまの「笑顔」のキッカケになれば幸いです。
・・・・オノマトペ。