昭和レトロな看板をミニチュアで作ってみる
こういう看板が近所のトタン小屋にたくさん貼ってありました。
今でこそ、昭和レトロなんて言う表現がピッタリですが、当時は、当たり前のように、あちらこちらに見ることができました。
旅行に行き、こういう看板に出会うと、どこか懐かしいですよね。
そんな懐かしい気持ちが、ジオラマでも作れたらなぁ~という創作意欲を掻き立てます。
ただ、僕にはそんな技術もありません。それでも、この懐かしさをいつでも体験できないかと考え、とりあえず、ネット上で見つけることのできる看板の画像を集めてみました。
ミニチュアの看板を作っても、それをどうするという目的はないのですが、キーホルダーにして友達にあげたり、適当に壁に取り付けられれば、今のところ十分満足です。
そんな創作意欲を叶えようと思い、昭和レトロなミニチュア看板を作ってみたいと思います。
画像の収集
インターネットで「昭和 レトロ 看板」「昭和 ホーロー看板」と検索すれば、たくさんの画像を見つけることができます。
正面から撮影されていて、フラッシュの光が映りこんでいない画像をコピーします。
斜め上や見上げているような角度で撮影されたものは、リアリティがないので、そういう画像は除外します。
画像に写る看板が錆びているものは、リアリティがあるのでどんどんストックしました。
それを、自分の好きなサイズに縮小してエクセルなどに貼り付けて並べたら、それを印刷します。
一応、他の看板とのバランスを考えた大きさにしておけば、ミニチュアの看板をたくさん並べたとき、その世界観がリアリティを生むと思いますので、そのへんも注意します。
例えば、実際のキンチョールの看板はとても大きいです。
ですから、キンチョールの看板を縮小したら、他の看板はもっと小さく縮小すれば、それら看板を横に並べても、違和感のない素敵な世界が出来上がるということです。
画像を収集して、看板同士の大きさを考慮して縮小した画像をエクセルに貼りつけ、印刷したものがこちらです。
<インクジェットプリンターで出力>
<レーザープリンターで出力>
プリンターの性能にもよりますが、色が濃く程度の良いレトロ看板ならレーザープリンター、すすけた感じで、雨ざらし感のある看板ならインクジェットが良いように思います。
アルミの板に貼っていく
今回購入したアルミの板は、0.2mm厚の裏が粘着シールになっているものです。
ここに切り抜いた画像を貼っていきます。
今回は、あまざらし感のある看板を作りたかったので、インクジェットプリンターで出力して切り抜いた画像をアルミ板に貼り付けていきます。
切り抜いて完成
アルミの板は0.2mmという厚さなので、普通のはさみで切り抜くことができます。
四隅の丸みやはみ出たアルミ板は、鉄やすりなどで丸め、切り抜いたときに看板が曲がってしまっていたら、手を切らないように軍手で持って曲がりを直します。
昭和レトロな看板でバッジやマグネットを作る
画像を収集して、印刷後に画像を切り抜くところまでは同じです。
印刷に関しては、見栄えをよくするためにレーザープリンターで印刷された、色の濃い画像の方が良いかもしれません。
それら画像をアルミ板に貼ったところです。
(おーきれい!このまま看板にしても良さそう!)
切り抜く
はさみで切り抜くところまでは、看板つくりと一緒です。
手を切らないように慎重に切り抜きます。
レジン加工
レジン加工をして厚みを出します。これにより、バッジやマグネットらしくなります。
準備するもの
- UVランプ (1,566円 税込み)
- レジン液(ダイソー : 108円 税込み)
UVランプはピンからキリまでありました。ネットで検索したところ、手ごろな価格の割には評判のいい、こちらのものを購入しました。1,566円(税込み)でした。
レジン液はダイソーで売っていました。ハード以上のものを選びましょう。5gで100円ですが、追々、楽天などで大き目のボトルを購入したいと思います。
これは25gで250円(税抜き)(送料別)です。
送料含めてもダイソーで5本買うより、断然お得!たくさん看板を作るので、助かります。
また、ダイソーのレジンは気泡の抜けが悪いという書き込みをいくつか見つけましたので、しっかりしたものを購入する方が良いと思います。
切り抜いた看板にレジン液を塗りUVランプで照射
アルミ板にレトロな看板の画像を貼りつけたところに、レジン液をたらします。筆などでゆっくりと伸ばして、気泡を楊枝の先ですくうようにして無くします。
この作業を丁寧にしないと、レジンが固まった後、気泡が目立ち残念な結果になります。
結論から先にお伝えすると、ダイソーのレジン液でも上記のレジン液でも気泡ができてしまいました。ダイソーの方が気泡は多かったです。
下の画像はダイソのレジンを硬化したものです。
写真に写るラメのようなものは気泡です。
気泡の原因は、紙にあるのではないかと思います。
紙とアルミの板の間に残った空気、もしくは、紙そのものの中にある空気が、レジンの硬化する際に中から出てきて気泡となるのではないかと思います。
とはいえ、記念すべきレジンのバッジができました。
この裏に安全ピンをくっつければバッジとなりますが、磁石を取り付ければマグネットとなります。
レジン液によるインクの滲みの実験
レジン液を印刷面に広げる時、インクは滲むのかという実験をしました。インクジェットもレーザープリンターも、どちらをバッジにするとしても、印刷面が滲んでしまえば、気泡がどうのこうの以前の問題です。
以下で実験をしてみます。
テストとして使用したのは、ダイソーの「UVクラフトレジン液(ハード)」です。
上がレーザープリンター、下がインクジェットプリンターで出力したものです。
楊枝のハラでレジン液をのばします。
こちらは、レーザープリンターで出力したものです。
こちらは(左)、インクジェットプリンターで出力したものです。
両方、レジンを塗り終えたところです。
左がインクジェットプリンター、右がレーザープリンターです。
レーザープリンターは細かいところまで綺麗ですが、インクジェットプリンターは、顔がぼやけています(プリンターの性能)。ただ、明るい方は、インクジェットです。
どちらも滲(にじ)みませんでしたので、お好きな方を選べばよいと思います。
<レーザープリンター>
<インクジェットプリンター>
感想
看板にせよ、レジン加工にせよ、自分の描いていた完成予想からは程遠く残念な気持ちでいっぱいです。皆様も、なんだこんなものか・・・とガッカリされたと思います。
レトロな看板は、アルミの板に貼ってあるだけで、要はプリンターの性能次第でそれらしくなったりならなかったりという状況です。僕の求めているのは、田舎のホーロー看板が、ドラえもんのスモールライトでそのまま小さくなってしまったようなリアルなものです。
汚れやツヤの具合をプリンターに依存するのではなく、ちゃんと加工したいのです。看板を作っていて、なんと安易な作品なんだと自分自身に失望しました。しかし、今の僕には、この方法しか思い浮かばなかったのです。
そして、レジン液での加工。
実は、レジン液を塗って硬化すればレトロな看板の風合いになるのではないかと期待していました。
汚れは、もともと汚れた看板の画像をもとに印刷しているわけだし、ツヤの部分はレジンが硬化することで生まれるツヤがある。それらをミックスすれば、それらしく見えるのではないかと期待していました。
しかし、気泡ができ、レジンが硬化することで看板に厚みが生まれてしまいました。その厚みを逆に利用しようと、バッジやマグネットとして利用することにプランを変更しましたが、やはり、気泡がみっともない。
作りたいモノと自分の技術にギャップがあり、作りたくないものを作っている自分が許せなくなりました。とても残念です。
先日、勝手に師匠とお呼びしている方からアドバイスをいただきました。
次回は、その方法でレトロなミニチュア看板を作ってみたいと思います。