Zippoカイロのメンテナンスをお読みいただいて、メンテナンスを終了したにもかかわらず、温かさが持続しなくなってしまった方に、この記事を書いています。
まずは、その前に、メンテナンスできるの?という方は、以下の記事でお試しください。
メンテナンスしたのに温かくならない!?
どういう現象かといいますと、メンテナンス後のZippoカイロは確かに好調なのですが、1週間から10日ほどすると、次のような症状が出てきます。
- 「火口」を少し炙っただけではカイロが温かくならない
- 触媒以外のところを炙り続け温かくなっても3分ほどで冷たくなる
このような症状が出る前は、熱いくらいに燃焼し、入れたオイルの燃焼目安時間以上の継続が認められました。
我が家には、Zippoカイロが2つあります。
最初に上記のような症状が出たときにはカイロの使い方が悪かったと思い火口を買い替えましたが、やはり同じ症状が出たので、これは使い方の問題ではないと確信しました。
ハクキンカイロに相談してみる
先ほどのような状況を電話口で説明をして、以下のことも伝えました。
- Zippoカイロを使用している
- Zippoオイルを使用している
- 中の綿は交換している
- 火口はハクキンカイロを使用している
ハクキンカイロの窓口からは、
- Zippoとのコラボは2003年まで
- 海外で使用する方はZippoオイルを推奨
ということでした。
このことについて、さらに聴きこんでみると、2003年以降のものはハクキンカイロが関与していないので、サポートは出来ないというようなニュアンスを醸し出しています。
けれども、私のZippoカイロは2003年のものなので、さらに質問を続けました。
本当は、ハクキンカイロが推奨しているベンジンの方が良いそうですが、海外にカイロを持って行くときは、Zippoオイルでも仕方がないということでした。
理由として、海外でエビスベンジンは入手できないからです。
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エビスベンジンの他にも「ハクキン指定 NTカイロ用ベンジン」でもOKのようです。私は、ヨドバシでハクキン指定 NTカイロ用ベンジンを購入しました。
さて、こうなってくると、いろいろ秘密がありそうです。
Zippoカイロについていた「火口」のプラチナ触媒の方が厚みがあったことを伝えると、それとなく技術的なことを教えてくれました。
微妙な調整のうえに成り立つカイロ
中の綿の交換方法が良くなかったのかと質問をすると、ハクキンカイロでは交換用の綿を販売していることを教えて頂きました。
私はそれを知っていましたが、たかが「綿」。自分で交換した方が安上がりだと思い、近所の薬局で購入したカット綿で対応しました。
実は、そのことも微妙なバランスに影響しているようです。
- カイロの中に詰める綿の種類と量
- ベンジンの種類
- 火口と綿までの距離 3mmが理想
- カイロに開いた穴の数や大きさ
すべて純正のものを揃えたとき、以下のような燃焼時間を実現します。
純正の注油カップ(じょうご)を用いて、下の線まで入れると、6ml(6時間燃焼分)、上の線まで入れると12.5ml(12時間燃焼分)です。
レギュラーサイズのハクキンカイロの場合は最大で2カップ・25ml(24時間燃焼分)までベンジンを入れることができます。
思い返すと私のZippoカイロは、6ml(6時間燃焼分)しか入れていないのに18時間くらい燃焼したり、火傷するほど熱くなったり、1週間もすると、30分もすると急に冷たくなったりしていました。
これは、綿の種類や詰め替えた量、Zippoのオイルを使用していたことと入れる量による燃焼のムラが起きていたのかもしれません。
出来るだけ理想に近づけることが燃焼の安定につながると考えました。
Zippoカイロの再メンテナンス
綿の詰め替え
染み込んだZippoオイルの綿を取り出し、新しい綿を入れます。
過去にメンテナンスした時の写真を参照しながら、同じような厚みと量と形を再現して詰めていきます。
そういえば、電話では綿もかなり厚めに入れているようなニュアンスだった・・・。
だから、今回はカット綿を2枚重ねてそれを2つ折りにしてカットしました。
真ん中を最後に入れるのですが、入りにくくなるために紙をホッチキスでこんな風に止めます。これも、電話で聞いたら、入りにくくなるからこうしているようです。ただ、紙自体は普通紙ではないような気がしますので、捨てずにリサイクルです。
左右を詰めます。
最後は真ん中を詰めていきます。
そして、上までいっぱいに詰めずに3mmほどの余裕を持たせると良いというアドバイスでしたが、9mmほど隙間を作るように押し込んでみました。
綿と火口の距離の関係
「火口」の高さは純正品もZippo製も同じでしたが、プラチナ触媒の厚みはZippoの方が1.5倍くらい厚かった記憶があります。
ここは想像ですが、プラチナ触媒が厚いとそれだけ化学反応が激しく進むのではないかと思います。そのために、空気穴もオリジナルとは違った数と大きさで開いているのだと推測しました。
取り込んだ空気と化学反応をさせるためには、それ相応の空間が必要です。
その空間が3mmなのだと思います。
しかし、それは、純正品同士の化学反応の場合です。
つまり、薄めの純正プラチナ触媒とエビスベンジンと空気穴の関係の場合、火口と綿までの距離が3mmがベストということです。
私のは、薄めの純正プラチナ触媒とエビスベンジンまでは同じですが、空気穴が違います。
空間が多い方が良い気がしたので、9mmで綿の詰め替えを完了しました。
もし、燃焼がうまくいかなければ、この距離を変えていこうと思います。
まとめ
実験に実験の末、燃焼時間と温度の持続が導き出されたのだと思います。
そのどれもが複雑に絡み合っていて、職人の世界を垣間見ることができました。
純正品を使うのが安心だし、そうした面倒な調整は最初からされています。けれども、私も一度、紐解いてしまったものだから、完成させるまでは実験を繰り返そうと思います。
結果的に、長く使うことになれば、それはそれで良いと思うので、同じような環境で悩んでいる方は、参考にしてみてください。