MLMというビジネス
マルチ・レベル・マーケティングというもので、ねずみ講と誤解されがちのビジネススタイルですが、海外では浸透していて、れっきとしたビジネススタイルです。
恐らくというか、ほとんどがこういう説明で勧誘してきますね。確かに、そうなんだけど、勧誘するなら、もっと納得させるうたい文句はないものかと、いつも思います。
俺を誘うなら納得させてみろ!
最初で最後のチャンス!?という煽り
”今、このMLMに参加しないと、この先同じようなチャンスは来ないかもしれません。”
こういう商法はどこにでもある。
身近なところでは、スーパーや家電店の特売日です。今日買わないと損しますよ!安いですよ!とラジカセから連呼され、今日欲しくないものもついつい購入してしまった経験は誰にでもあると思います。
冷静になれば、そういう特売日は毎週やっていたり、半月に一度やっていたりと、定期的に開催されていて、その都度、新しくて良い商品が安く販売されています。そんな商品を見ると、もう少し待てばよかったとか、残念な気持ちになります。
それでも、救いなのは、商品が手元に残るということです。そして、最新のものではなくなってしまったという残念な気持ちには、いつか商品は古くなるものだからと自分を納得させることができます。
ところで、MLMには、自分の後悔した時のための言い訳はあるのでしょうか?
こういうチャンスはない!今、始めないと後悔する!という焦りを与え、思い切って一歩をスタートさせると、こんな豊かな生活が待っています!と感情を揺さぶられ、気が付くと、まったく儲かっていない。。。。そんな時、自分に対する言い訳はありますか?
絶対儲かる!はずが儲からない。
手元に何か残るわけでもない。ただ、お金が出て行っただけ。
お金がたくさん余っている人は、リスクのある投資と考える方法もあると思うけれど、年間を通して20万くらいとなると、20万円あれば自分は何ができたのかを考えざるを得なくなります。
手元に形あるものとして何も残らないものに20万円は決して安くありません。
原価を説明してくれ!
調子よく、一方的にこれから儲かるシミュレーショングラフを持ち出してくるけれど、一旦、冷静に考えてみましょう。
普通商品には、原価というものがあります。一つ一つの部品が組み合わさって商品となるのですが、部品の代金に組み立てた工賃が合わさって、商品の原価となります。
その原価に対して、その商品を販売する企業の営業マンの給料やら必要経費を乗せて、さらに利益を乗せて、販売価格や卸価格が決まってきます。
MLMにそうした図式を当てはめようとすると、初期費用や月会費はどのように使われているのだろうか?最近では、インターネットを利用したMLMが増えてきましたが、せいぜいサーバー代とアフリエイトと似た様な、誰経由で顧客になったのかを記録し、その利益を分配するシステム開発費が発生するだけだろうと思います。
そうなると、残りのお金は、どこに行ってしまうのか?
やはり、最初に始めた人たちへの分配に消えてしまうのでしょうか?
部品のような原価がかからないMLMであれば、組織の人数が増えれば増えるほど利益が上がるということになります。
家電商品であれば、企業側の利益が出れば出るほど、その商品を大量に作ろうとするので、大量仕入れによるボリュームディスカウントが原価レベルでも発生するので、商品の販売価格は安くなってくるのが常識です。
しかし、MLMは組織の人が増えれば増えるほど、儲かるとうたっているだけで、決して初期費用や月会費が安くならないのは、なぜなのでしょう?
その方が、より爆発的に会員数も増えると思うのですが、いかがでしょう?
アフリエイトとの比較
MLMのうたい文句の一つにアフリエイトとの比較が多くされています。
アフリエイトは、1回きりの報酬であるのに対して、MLMは紹介者の先で起こる消費も自分の利益になってくるということを高らかにうたっています。
しかし、アフリエイトは商品の画像にリンクを貼り付け、ブログなどの記事で紹介するという手軽なもので、その行為に対して初期費用や月会費は発生しません。
だからこそ、気軽にブログなどで紹介できるのです。もし、初期費用や月会費が発生するのなら、ブログの運営者は必死になり、その雰囲気を敏感に感じ取る閲覧者は、どんどんそのブログから去っていくのではないでしょうか?
初期費用や月会費がないから気軽に紹介できるし、閲覧者も気軽に読み飛ばせるのです。商品紹介に必死なブログは、どうしても勧誘色が強くなります。
MLMのビジネスモデルは、人を紹介して勧誘することにありますから、気軽にブログに乗せておいて、いつか人を紹介できればいいなぁ~なんてのんびりしていては、自分の月会費の持ち出しがドンドンかさんできてしまいます。
だから、必死な文章になるか、現実を逃避した豊かな生活を夢見させるところからしか切り口がないのです。それゆえ、どのMLMも同じようなうたい文句になってしまうのです。
勧誘してくる人
これは、たまたまかもしれませんが、僕を勧誘してきた人のことです。まぁ、企業でいえば営業マンというところでしょう。どうやら、MLMを始めたばかりのようです。それでも黒字だというのです。
そうしたやり取りの内容は、別の機会に後悔するとして、僕が言いたいのは、もっと勉強してから勧誘しに来いよ!ということなのです。
前述のような仕組みから生まれる利益やその分配と組織での使われ方を質問すると、僕は初心者なのでビジネスパートナーを紹介するので訊いてみてくださいというのです。
あなたの黒字の内訳を教えてくださいと言っても、話しをすり替え、詳細は出てきません。
企業の営業マンであれば、普通、自分のところの商品の勉強はしているものです。あらゆる質問を想定し、商品の優れているところ、まだまだ開発の余地のある所などを顧客が納得できるように説明の勉強をしています。
MLMは、それがない。質問しても、自分の上の人を紹介する。はぐらかす。会いたいといえば、成功者を紹介する・・・といった具合です。
こういう一つ一つの受け答えが、どんどんMLMの怪しさを増幅させているということに気がついていないのだと思います。僕としては、これらが払しょくされて、自分が納得できるものなら、参加しても良いと思っているのに・・・やっぱり、腑に落ちる説明ができないのが、現状のMLMの仕組みだと、僕は思います。
最後に
ここまでのまとめとして、こういうことを勧誘してくる人に質問すると、決まって言われることがあります。「せっかくのチャンスだけれど、残念です。」と丁重に遠のいていってくれます。
それは組織のイメージダウンを避けようとするためで、組織のイメージダウンは自分の収益を妨げるものだからです。
「せっかくのチャンスだけれど、残念です。」
僕からすると、人の質問に答えられないで営業してくるんじゃないよ!と思うわけです。
営業マンにしてみたら、貴重な時間をこんな質問攻めの人を勧誘するより、もっと簡単に勧誘できる人に時間を使った方が効率が良いのですから当たり前です。
しかし、時間の概念は僕にも同じことが言えます。
僕の貴重な時間を営業マンの勧誘によって使うことになったのですから、説明の義務は必ず発生しています。今、こうしてブログをまとめている時間も、勧誘がなければ削られなくてすんだ時間です。
そうしたことを棚に上げて、正面から質問してくる人に向き合おうとしない人が販売している商品を、誰が買うというのでしょうか?
もし、偶然、ここにたどり着いた人がいるのであれば、ここに書かれたことを冷静に分析してみてください。自分が納得できれば始めればいいのです。僕だって、そんなにおいしい話が本当なら、MLMも副収入の一つとして初めて見たいと思っているのです。