■ 60以上の仕事を経験した僕。
すごいでしょ?!
・・・と、自慢しても、単なる腰の落ち着かないヤツ・・・で終るのが世間。
でも、いいのだ!
きっと、何かの役に立っているのだから。
きっと、これから何かの役に立つのだから。
なにより、人生充実してる。
これだけ、腰が落ち着かなかったら、これはもはや長所。
環境適応力が優れているという事ではないか!?
・・・と、勝手に想っている今日この頃。
僕の経験した仕事を感想を含めて1つずつご紹介。
仕事内容と感想を綴るだけの大して面白くない記事ですので、お暇な時にどうぞ。
■ 個人事業主として受けた(受けている)仕事 (6/6)
雑貨卸業
安く仕入れて、小売店に販売する。
僕の場合、メーカーから仕入れて東急ハンズに販売し、東急ハンズに商品が並ぶ。または、メーカーから仕入れてアマゾンに納品している問屋さんに販売し、問屋さんがアマゾンに販売することでアマゾンに商品が並ぶ。
どの場合も薄利多売のビジネスモデル。 数を動かさないと儲けが出ない。
また、仕入れ代金の支払いが先に生じるので、売上を回収するまでに時間がかかりすぎると、次の仕入れが行えないという問題が生じてしまう。
メーカーからの仕入れに際して、発注単位というものがある場合が普通だ。
そやって仕入れたものは・・・たとえば、24個セットだとすれば、それを24個のまま卸すのが良い。 しかし、小売店はそんなに在庫を置かない。そのため、6個ずつとか卸すことになる。
小売店に納品する送料も考えた卸価格を設定して販売しないと、売れば売るほど赤字なんていう事もある。
もし、その商品が途中で売れなくなると、残りの18個は在庫のままとなってしまう。そのまま売れないと在庫の山となるので、リスキーな商売です。
いざ、東急ハンズへ!
ところで・・・
東急ハンズに置いてある商品というだけで、商品価値があがったように聞こえますよね?
もし、自分の取扱う商品が東急ハンズにおいてもらえたら? ネットショップで小売しても、他のお店に卸しても、問屋さんに卸しても・・・「東急ハンズで取り扱ってもらっています!」という言葉は、魔法の言葉。
これだけで、商談が有利に進められます。
ということで、東急ハンズと取引をしなければ!
まずは、卸業ではあるが、他人の商品ではなく、自分のオリジナル商品を販売すれば在庫リスクも軽減できる!もし、オリジナル商品が東急ハンズに採用されれば、東急ハンズと直接取引ができなかったメーカーの商品も卸すことができる!そうなれば、本格的に卸業が回り始める!
そう考えたら、何を売るかが重要テーマ。
東急ハンズらしいもの・・・DIY系?・・・珍しいもの系?
そうやって探し出したのが、このTシャツ!
はがきサイズくらいで、専用ハンガーも付いている! 白のTシャツにはTシャツプリント専用紙も付けて商品化しました。
お人形さんとおそろいのTシャツを作ったり、サイン色紙代わりやプレゼント、メッセージボード代わりにもGOOD。 そんなDIY系の商品として売り込んでみた。
他にはない大きさが珍しい!ということと、DIY系だということが、見事にバイヤーの心をとらえました。
「すぐに採用します!」(内心は超嬉しかったです)
しかし、僕が一言・・・
「まだ、口座の開設を行っていません。」
そうです、僕は口座の開設もしないまま売り込みに行ったのです。
売り込んだ先は、東急ハンズ新宿店です。
あれよあれよという間に口座の開設が進められ、あっという間に取引開始となりました。
東急ハンズの新宿店に狙いをつけたのは、他の店舗より売れている店だからです。
新宿店で取り扱っている商品は、ほぼノーチェックで他の店舗も取扱う事を知っていました。その甲斐あって、池袋店、渋谷店、江坂店、大宮店、心斎橋店、横浜店、北千住店・・・と、次々に取引開始となってゆきました。
この時感じました。
株式会社や有限会社という肩書がなく、個人事業主でもここまでできるのだと。
・・・とても自信がつきました。
最終的には、真っ白なTシャツを筆頭に色違いや同じサイズのトレーナーまで、約14種類を東急ハンズに取扱っていただきました。このTシャツを皮切りに、多くの商品を東急ハンズに卸しました。
思惑通り、自社商品以外もどんどん増えていきました。
いざ、アマゾンへ!
さて、僕がアマゾンを去ったあと・・・アマゾンにも商品を卸したい!と考えました。
当時のコネクションを利用して商品を仕入れてもらうようなことはしたくなかった。自分の努力だけで商品を採用させ、アマゾンに商品を卸したかった。
アマゾンに強い問屋さんを探し、そこにプレゼンをし、問屋での採用を勝ち取りました。
そして、アマゾンに商品が並びました!
多くの時間を費やしましたが、なぜそうしたかったのか?
それは、僕が販売している商品だという事をアマゾンの同僚の誰にも知られず、いつかその商品のメーカーの担当として、ひょっこりアマゾンに顔を出したかったからです。
当時の同僚は絶対びっくりするはずですよね?
「あれ!?これ、あなたの商品だったの?!」
なんていうサプライズが欲しかった~。
だから、商品がアマゾンに並んだ時は嬉しかったなぁ。
その商品はアメリカで一目ぼれしたものです。一目ぼれして購入し、日本に帰ってきてから、メーカーに問い合わせをしました。
まだ日本に代理店がないということだったので、プレゼン資料を書いてメールで送ると、日本の総販売代理店になれました。
英語の契約書を辞書を片手に解読したのには苦労しました。契約書は日本もそうですが、難解な単語ばかりです。
総販売代理店になって1年後くらいのこと・・・
その会社の社長が日本に来るというので慌てた時もありました。
さすがは社長! 通訳さんを先に手配してくれていたのでスムーズにコミュニケーションができました。
日本の料理店・・・・寿司を堪能してトータル2時間ほどのコミュニケーションは良い経験となりました。
実は、僕が総販売代理店になりたい!とメールした相手が社長だったんです。そのときは、社長という肩書で僕とやりとりをせず、”部長”として交流していました。
食事をしながら、何で嘘をついたのかと聞くと・・
「俺は社長だ!とアピールすると、あまり良くない事が多い。」
という理由だそうです。その時は、彼の謙虚さを感じました。
総販売代理店になりたいと思ったキッカケの商品はコレ!
これ、カットの長さを調節できる髭(ひげ)のお手入れ用トリマーなんです。
残念ながら、現在では、製造中止となっています。
今でも総販売代理店です。
こちらのメーカーの商品は今でもアマゾンで販売されていますが、他の業者が登録した商品だけとなっています。
卸業を行っているお陰で、今でも多くのお取引先と楽しい商品の情報交換を行っています。
ただ、卸業はリスクが高く運転資金を必要とするため、身の丈に合った規模で活動しています。
卸業を経験している中で多くの衝突がありました。
「もういい!お宅の商品は二度と仕入れない!」
なんて暴言を吐き、電話を切る事も何度かありました。
とても生意気な商売のやり方で、その後、決まって後悔するのですが・・・そうなるパターンは必ず決まって法則があります。
それは、東急ハンズなどに商品の採用が決まってから、契約や商品の内容に変更点が発生するメーカーに多いです。 東急ハンズなどは大きな販売店ですから、商品を採用してからPOS(システム)に登録するまでに多くの稟議を通します。
POSとは、レジでバーコードをピッ!として商品の値段が表示されるものです。
最終的に商品が採用されるまでに1ヶ月ほど時間がかかります。
当然、僕は何度も足を運び、早く登録していただけるよう催促します。
そうしてようやく商品がフロアに並ぶわけですが、ほどなくして在庫切れとかで商品の供給ができないと、メーカーさんから連絡してくるわけです・・・それも、注文書を流した後にです。
東急ハンズなどは、それだけいろいろな部署を通して商品の採用が決定されるので、一度採用されたら、長く販売していくのが方針なんです。
そういう意味からも、安定供給ができるという条件は必須です。
当初メーカーは安定供給に問題はないといいますが、トラブルの多くは、発注したら在庫がない・・・。(唖然)
ねぇ、ねぇ、普通、在庫が切れそうなら前もって連絡するんじゃないの?
これって、在庫管理もできていないってことですよね。
散々、営業をして、採用されて、注文をもらって・・・
この間、僕の行動は1円も利益を生み出していません。
ようやく、これから利益を生み出すという時に、商品がありません!とは、いかがなものか?
何十本血管が切れたかわかりませんよ。(笑)
あと、こういうパターンもあります。
商品が採用されてメーカーに発注したら、卸価格や発注単位を変更される。安くなったり、発注単位が少なくなったりするのなら大歓迎だけど、逆の場合は赤字もあり得ます。
こうなると、メーカーというよりは人間性を疑ってしまいます。
こうしたメーカーが多くなったのは、卸業=問屋の質も変わってきたのが原因かもしれません。 問屋とは、メーカーにとって3つの利点があります。
1. メーカーの代わりに営業をしてくれる
2. 多くの販路に提案してくれる
3. 売上の回収を問屋がするのでメーカーは口座の一本化ができる
最近の問屋は、多くの販路に提案は出来ても営業ができていない。つまり、採用されるまで押しの営業が行われていない。
これは、お店側にも問題がある。
「売れるものだけ、どこよりも安く持ってこい!」
こんな方針の店ばかり増えている・・・特に大型店は。
しかも、受注発注で対応する。
・・・というか、売れてるものをどこよりも安くって言うけれど、逆にいえば、何が売れているのか、お店もわからなくなっているんですよね。
そして、だんだんお店に個性が無くなってくる。仕入れも本部が一括でするようなセントラル・バイイング・システムに移行してきている。ますますその傾向が強まっている。
そんな中で、問屋の営業マンが、
“一生懸命営業しても、無駄だ・・”
という考えになりがちなのも理解できる。
結果、メールで一斉に商品の案内だけをアナウンスすることになる。
この程度の事は、商品の提案というレベルではもはやないかもしれない。
そうなると、問屋は口座を貸しているだけにすぎない。それだけなのに、マージンを取るのは、いかがなものか。そんな問屋が増えたせいで、無責任なメーカーも増えたのかもしれない。
今後も僕はブチ切れる事があると思う。変な問屋が増えたといっても、それでもやっぱり、メーカーにとって問屋はある意味お客様。”そこ”を無視したやり方のメーカーには、とことん噛みつくと思う。
その代り、僕も小規模ながらも問屋(卸業)をやっているので、やらなければいけない事(メーカーにとっての3つの利点)はしっかりやるつもりです。
ちょっと、熱っぽくなっちゃいましたね~。