人生は効率よくできていない
「ついでに」という言葉と動作
何かをしようとするとき「ついでに」という言葉と動作を覚えさせられます。
それは、子供の時から刷り込まれるのがほとんどです。
大人になるにつれ「ついでに」という行動は「気が利く」とか「効率が良い」という言葉に
変化して、その人の評価をあげたりします。
そうして人生を送っているうちに、いかに効率よく時間を使うかという部分に焦点が合い、
そのことを無意識のうちに考え行動するようになります。
効率を考えた行動
効率を考えると、自分で出来ないことは他人にしてもらった方が効率が良いです。
仕事のことを考えたら、それは重要な選択肢です。
けれども、そういう考え方が仕事以外にも応用されてくる。
効率の良さを仕事以外に取り入れる例
たとえば「旅行」がそれにあたります。
特に日本人の旅行は「効率」を優先させた最たるものです・
仕事の関係上、長く休みを取れないので、短期間でいろいろな場所をあれもこれもと詰め込
みます。そうしたパッケージツアーが充実しているのも事実です。
そうしていろいろ観光して回り、家に着くと・・・お決まりのフレーズ。
『やっぱり、家が一番、旅行もいいけど家が最高!』
・・・これでいいのだろうか?
人生の幸せは「効率化」ではない
楽しい旅行に出かけ、効率よく感光して回った結果、出てくる言葉は前述の通り。
本当なら、
『あーぁ、終わっちゃった、もっと、もう一日・・・、次はいつにする?!』
そんな言葉で、楽しい時間が終わってしまったことを嘆くものです。
効率よく回ることを目標としてしまい旅行本来の目的である「楽しむ」ことを忘れています。
効率のよい人生とは?
いかに上手に生き抜くかという事になります。
何に対して「上手(じょうず)」に生き抜こうとするのか?
それがそもそもの疑問になります。
お金、出世、子孫繁栄、名誉・・・
それらをある程度のところまで無駄なく高めて人生を終えることが目標であれば、無駄な時
間などありません。
もし、全てのものがお金で買えたとしたら、自分ではできないことを他人にしてもらい、他
人を通して大きな功績を社会に還元する一方で、お金で理想の愛を買い子孫繁栄を行う。
そうしたお金は、有り余るほど持っているとします。全てお金によって効率よく、地位も
名誉もお金も出世も子孫繁栄も出来ます。自分でそれを勉強する時間をお金で買い、他人に
それをやらせ、自分はゆっくり旅行に行ったり音楽を聴いたり・・・できます。
それって、幸せですか?
究極に効率よく、全てお金のパワーでやり遂げることができますが、幸せですか?
人生の面白さや楽しさ
上手くいかなくて、ようやくうまくいったこと。
そんなことが、人生の楽しさを際立たせてくれます。失敗や辛い事もワンセット。
失敗や辛いことは、効率から考えると無い方が良いのかもしれないけれど、人生の充実・喜
びから考えると、無くてはならないものです。そう考えると、より充実した楽しい人生を送
るためには、失敗も辛い経験も必要なのです。
人生で、そういう事を省き、効率よくお金のパワーで面倒臭い事をすべてやらせてしまうと
満足を得られるものにはならないようにできています。
満足を得るには、効率の悪い「失敗」をおかさなければならないので、何とも人生は効率よ
く送れるようにはできていません。
まとめ
効率を良くするのは仕事や作業だけに留める事。
その他は、興味を持ったことは人に頼まず自分でやる。失敗したら時間とお金の無駄と考え
る事を止める。失敗しても、こんなことに挑戦したということそのものが楽しい!そして成
功したらもっと楽しい!そうやって、いろいろ時間をぜいたくに使う。自分に見合うお金の
範囲内で知恵を絞り工夫する。そうやって、何でも自分でやってみる。
これをどんどんやることで、失敗と楽しさと成功の喜び、そして、そうした経験が蓄積され輝
いてきます。
人生を満足のいくように生きるには「効率」をもとめてはいけません。
そもそも、満足は失敗という時間の効率の悪さによって得られるものだから、十分な満足を
得るためには、十分な失敗が必要だという事。
人生は効率よく出来ていないのです。