参考になるかどうかはわかりませんが、読んだ本の感想などを書いています。
結構、好き勝手なことを書いています。ネタバレもあります。
40代後半まで読書嫌いできた私ですが、2018年9月に読書を始めました。
そんなきっかけはこちらです。
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2024年1月19日に、私の不注意からブログのデータを全部消す!?という失態を犯してしまい、なんとかデータの復旧はできたものの投稿日時がすべて”2024年1月19日”となってしまいました。
読了本だけでも読んだ順番ごとに並ばせたい!
…と、架空の投稿日時を登録しながら、記事の並べ替えを行いましたので、記事の投稿日と「読了日」が違うこともありますがご理解ください。
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せっかくの機会なので、過去の記事に対しての「てこ入れ」および「読書感想などの追記」を行っています。
読書ノート
タイトル名:その悩み、哲学者がすでに答えを出しています
著者:小林昌平 (著)
読了日:2023年4月21日
この本を購入した目的
生きていればいろいろな悩みが生じます。
考えても答えの出しようもない… 『みんなそうなんじゃないの?』なんていう答えにぶつかる悩みは、一つや二つではありません。
世の中すべての事象に「答え」があると思っているから、悩むのかもしれません。
私の世代は、勉強とは答えのあるものでした。問題に対する答えがしっかりある。理由もある。そんな勉強しかしてきませんでした。そういう世代です。
だから、「悩み=問題」として、それを解こうとし始めてしまいます。必ず、答えがあるものだと信じて疑いません。
けれども、ようやく、この歳になってわかり始めました。
答えのない問題もあるのだと。考えることそのものが答えのような…問題もあるのだと。
でも、もし、私が「答えのない問題」として解くことをやめた悩みに対して、偉い人が答えを出してくれているのなら?それは絶対読みたい!そうすれば、私の悩みは一つ消えます。
腑に落ちるような答えが欲しい!
そんな気持ちで、ようやく購入した本です。
私の目的について書かれている重要なページ要約と感想
実際読んでみて、少しこの本のタイトルはズルく感じられます。
哲学というものは、そもそもそこに答えがないことが多いのですが、哲学者がすでに答えを出していると書かれていれば、読みたくなるでしょう?
しかし、本書では「The 答え」というものは、無いに等しい。
こんなふうに考えるといいよ…という内容も薄い。
哲学者の考えの背景的な部分の説明やそこから生まれたその人の考えを紹介しているに過ぎない内容が目立ちました。
読んでいると、でもそれって、答えというか感じ方だよね?
それって、人それぞれじゃない?
そんな考えが、いつもよぎりました。
つまり、腑に落ちるような「答え」はなかったということです。残念でした。
例えば、困難は分解すると良いと書かれています。
でも、分解したからといって、必ず、答えが導き出されるのでしょうか?
本のタイトルさえ違えば、良かったのでしょうけれど、このタイトルに惹かれ購入した読者には気の毒です。
それでも、付箋のついたページはあります。
P122 人間の感情において最も根源的なのは恐怖であり、不安である。
⇒ これが答えだというのなら、その証明は?という疑問が沸きます。
⇒ ”人間というものは、ただ自分がいい思いをするため、自分が幸福になるためだけに生存する身勝手な生き物です。しかも、個々人にそのための力量の差があるわけではなく、チャンスはまったくの同条件(平等)である。だからこそ、お互いに命や財産が奪われるんじゃないか、他人に出し抜かれるんじゃないかと、いつだってびくびくしている。そういう状態こそ、人間本来の姿、つまり「自然状態」なのである。”と書かれています。
⇒ よくわかりません。でも、メモに残しておこうと思います。
P143 「自分ができることは努力すべきだが、どうにもできないことはどうにかしようとしない」
P155 嘲笑せず、嘆かず、呪わず、ただ理解する
P184 「すべての人がそれをやったら、世の中がめちゃくちゃにならないかどうか」という判断基準に照らして行動せよ。
P185 いけないことだとわかっていながら欲情に突き動かされてしまうのも人間の性ですが、同時にそれを、理性によって抑えることですがすがしさを感じることができるのも、人間なのです。
P214 「この仕事、意味あるんだろうか?」と意味を考えるのでもなく、ただもう無心に、徹底的に、丁寧にやってみるのはいかがでしょうか。
P223 「いくつかの選択肢が向こうから出払ってから考えてもムダではない」
⇒ 人生の悩みのように大きなな悩みは、このような方法も良いかもしれません。
P227 まちがった直感の声は大きくてよく通り、理性の声は、小さくて聞き取りにくい
⇒ 直感で動こうとする前に、このことを思い出してみるというのも良いかもしれません。
P233 「われわれの不快はすべて独りでいることができないということから起こっている」「われわれの苦悩のほとんどぜんぶが社交界から生ずるものである」それでも、人間は群れたがる。孤独をいやがり、自分を捨ててまで社交に向かう「群居本能」を避けがたく抱えている。どうしてかというと、「自分がないから」。「自分の内面が貧困だから」。「断片的な中身しかもたないから」。
⇒ 自分というものがしっかりあれば、一人でいることは不快ではないし、人と接することで生まれる苦悩もない、ということだ。
P235 「幸福の基本は自分の外に何ものも期待せず、自分のうちにあるもので楽しむことである」。「自分自身だけをあてにしてきた人間、自分にとって自分自身が一切合切でありうる人間が最も幸せだと結論することができる」。
P249 哲学は「死の練習」である。知を愛し求める欲求さえあれば、死ぬことも怖くなくなる。
⇒ 「死」とはどういうものか知りたい!と思えば、死ぬことすら怖くなくなる…ということか? 死にゆく過程で、『あぁ、こうやって死ぬのか』と死を見つめ、一度しかない経験をじっくり俯瞰的に観察し、知っていこうとすれば、自分の死ですら、知ることの喜びゆえに、死は怖くなくなる…ということか?
P256 ひとは死を本気で決意したときこそ、根源的な時間である人生の残り時間を生きはじめるのです。
⇒ のほほんと生きていないで、常に意識する… いや、たまには思い出すようにして、自分の寿命を大切に生きなくてはいけないなぁ。
P267 いのちが続くかぎり、この自分が見て、感じているこの世界はあるのですから、いのちの続くかぎり、幸福に生きてやろうと意志することはできる。
P267 「語りえないものについては沈黙しなければならない」
この本は、私の目的を達成させたのか
残念。がっかりした気持ちはありました。
けれども、そりゃそうだよな… 哲学ってそういうもんだもんな。と自分を納得させました。
この本についての感想
タイトルに騙された!